名字の言ブログ

聖教新聞の名字の言を毎日載せていきます。

名字の言 少女部員が七夕の短冊に書いたこと

2022年7月7日
 
 昨年、学校行事の「七夕祭り」を終えて帰宅した少女部員が母に言った。「『おばあちゃんの足のけがが早くよくなりますように』って短冊に書いたよ。かなうといいな」と。「じゃあ、一緒にかなえてみる?」と母。少女は、その日から母と一緒に勤行を始めた▼少女の祖母の家は近所にある。先のやりとりを伝え聞き、「うれしいね。必ず治してみせるよ」と涙を流した。勇気をもらった祖母は見る見る回復し、数日後、元気に少女の自宅まで歩いて行った▼1月7日の人日、3月3日の上巳、5月5日の端午、7月7日の七夕、9月9日の重陽、それぞれの節句を合わせて「五節句」という。日蓮大聖人は、五節句は「妙法蓮華経」の五字に由来する祭りであると門下に教え、「五節供の時もただ南無妙法蓮華経と唱えて悉地成就せしめ給え」(新1456・全1070)と示された▼仏法では、仏の生命を開く因も果も同時に具わる「因果俱時」を説く。七夕の日に、祖母の全快を願う子や孫の祈りが、確かな“因”となり、祖母は早期回復という“果”を勝ち取ったように思えてならない▼私たちもまた、悔いなき一日一日の行動を「現在の因」とし、晴れやかな「未来の果」を断固、勝ち開いていこう。(城)

名字の言 しまくとぅばから学ぶ

2022年7月6日
 
 聖教電子版で本紙の方面・県版を見ていると、沖縄版の連載が目に留まった。タイトルは「しまくとぅばから学ぶ」▼しまくとぅばの「しま」には島や村落だけでなく、古里の意味もある。「くとぅば」は言葉。だから「島言葉」と訳されるのが普通だが、沖縄地方の「古里の言葉」と言ったほうがしっくりくる。古里の文化と知恵が結晶した「しまくとぅば」を、仏法の視点を加えて解説する好企画だった▼例えば「才知ぇー 一代、誠ー 世万代」(才知で得たものは、せいぜい一代限りであるが、誠実の心は万代に及ぶ)。誠実で築いた信頼は崩れないことを、御書の一節「教主釈尊の出世の本懐は人の振る舞いにて候いけるぞ」(新1597・全1174)を踏まえて訴える▼かつて、標準語励行運動が強力に進められた沖縄では、しまくとぅばを学校で話すと、罰として「方言札」を首に掛けられた。古里の言葉を否定されたのだ。しまくとぅばでしか表現できないこともある。言葉の否定は、言葉を使う人と地域の否定と同じだ▼「月ぬ 走いや、馬ぬ 走い」(月の走りは、馬の走り)。駿馬が駆けるように、月日は一瞬にして過ぎ去る。今年も折り返し地点。一日一日を丁寧につづり、上半期の総仕上げに走りたい。(川)

名字の言 平和を願う民衆の声が世界を動かした

2022年7月5日
 
 東京の「第五福竜丸展示館」で原水爆禁止署名を見たことがある。「○○町婦人会」「○○校区婦人会」など、体裁や文面は多種多様。署名運動の自発的な広がりを物語っていた▼1954年、米国による水爆実験で、遠洋漁業に出ていた第五福竜丸が被ばく。食卓から魚が消え、放射能汚染に強い不安を感じた女性たちが水爆反対の署名運動に立ち上がった。その声は全国に波及し、集まった署名は3000万以上に。世界を動かす平和のうねりとなった▼ある女性部のリーダーが広島で被爆したのは、小学4年生の時だった。爆心地から約3キロの自宅前を、焼けただれた人々が逃げ惑う“地獄絵図”を見た。その体験が平和を求める心となった▼転居した兵庫で入会し、66年の“雨の文化祭”に参加。関西の地で刻んだ池田先生との出会いを通して、平和の直道を知る。それは人間の生命に巣くう魔性と対峙し、対話によって友の仏性を輝かせること。入会60年を迎えた今も「平和は勝ち取らなあかん!」と意気軒高だ▼過日、初の締約国会議が開かれた「核兵器禁止条約」は、世界のヒバクシャの声が推進力となり、条約発効につながった。対話の力で民衆の善の連帯を広げる。そこに「立正安国」の直道がある。(子)

名字の言 “リサイクル率日本一”の陰に

環境省が先日、公表した2020年度の自治体別・一般廃棄物リサイクル率で、鹿児島県の大崎町が2年連続14度目の日本一になった。リサイクル率は全国平均の20%を大きく上回る83・1%である▼それを支えるのが、家庭ごみを出す全世帯で構成する「衛生自治会」。今春、会長になった壮年部員は、副会長を8年務め、外国人のために母国語のリサイクル表を作るなど、こまやかな対応を続けてきた▼壮年は19歳の時、結核で左肺の半分を取り除いた。45歳でがんを患い、胃の4分の3を切除。相次ぐ病苦を信心と周囲の励ましで乗り越えた。今度は自分が人のために尽くす番だと心に決めたという。「人のために火をともせば、我がまえあきらかなるがごとし」(新2156・全1598)との一節が壮年の胸に深く響いた▼現在、衛生自治会の会長をはじめ、10以上の地域役職を担っている。学会では県総合長。「人の何倍もの生きている充実感があります」と元気いっぱいだ▼人生は戦い。思いもよらぬ試練はつきものである。だが、使命を自覚することで希望を自ら創り出し、力を湧かせ、何度でも前に進める。苦難の時こそ「まことの時」と決め、勝利の飛躍台にしていくのが学会魂である。(銘)

名字の言 エジソンが発明した「キネトスコープ」

 映像技術の小型化・高性能化は著しい。スマートフォンでの動画撮影も日常になり、本紙の取材にも活用している。撮影した映像が見られるようになった出発点は、エジソンが発明した「キネトスコープ」だ▼その装置では、大きな箱に一人分の覗き窓があり、短い映像が楽しめる。米シカゴの万国博覧会にも出展され注目を集めた。日本に上陸したのは、誕生から数年後の1896年。その場所は神戸だった▼これからは「映像の時代」――池田先生は若き日から、その力に着目してきた。戸田先生の「原水爆禁止宣言」を後世に伝え残そうと、モノクロ(白黒)映像が主流だった時代に、カラー撮影に手を尽くしたのも、池田先生である▼第3代会長就任の翌1961年、先生は神戸・兵庫の2支部合同結成大会で、広布の記録映画の製作を発表した。発表の場を神戸にしたのは、神戸が「新しき文化の都」との考えからだ。この記録映画が、現在のSOKAチャンネルVODや聖教新聞の動画配信などに発展し、多くの友の触発の機会となっている▼世界広布の伸展や広布史を再現した動画を見るたび、今の行動が映像の一こま一こまにつながっていることを思う。わが心に広布史を刻み残す「師弟の月」7月に。(芯)

名字の言 あすから2022年の後半戦

2022年7月2日
 
 暮らしの中には何かが切り替わる節目がある。例えば、二十四節気の「冬至」。一般に昼の時間が最短とされる日だ。季候の節目の一つと言えば、それまで。だが、この日を境に明るい時間が日に日に長くなると思えば“精力的に活動しよう”と気持ちを入れ替える人もいよう▼ちなみに、きょうは今年365日の真ん中に当たる。あすからは2022年の後半戦に入る。年頭に立てた目標を思い返して、今一度、決意のねじを巻き直し、前進に加速度をつけたい▼人生を切り替えたターニングポイントの一つが「入会記念日」という友は多い。先日、ある壮年部員に入会のいきさつを聞いた。以前、学会員の友人に自身の不遇の半生を語った。「こんな悲惨な人生が救われるわけないだろ!」と言い放った▼すると、友人は断言した。「これまでの言い知れぬ苦闘を、わが心の財と転じる仏法です。この信心で必ず人生の逆転劇が開幕します」。その後、入会した壮年は自身の境涯革命した姿を通し、次々と弘教を実らせた▼よく「時は今」という。“今”自体が過去と未来の転換点にほかならない。過去をどう意義づけ、未来をどう開いていけるか――全ては“今の戦い”“今の勝利”に懸かっている。(白)

名字の言  成長し続けるエベレスト

2022年7月1日
 
 世界最高峰のエベレストの標高は今も高くなり続けている。測定する方法や場所によって違いはあるが、毎年数ミリから数センチずつ上昇するという研究もある▼地質学者のM・P・シャルマ博士によると、エベレストを擁するヒマラヤ山脈は、隆起と侵食を比較したとき、隆起の程度の方が大きいからだ。「つまり、まだ『成長している』のです」と。比べるものなき高さにあってなお、天空に向かって成長するエベレスト。人生もかくありたいものだ▼酸素ボンベなしで8000メートル級の山々に挑む登山家の小西浩文さんが本紙で語っていた。生死を分かつような極限状態を乗り越えるためには、まず“自分は生き抜いてやる”という明確な意志を持つこと。「その上で、心が通じ合う仲間がいて、力が発揮できる」。自分は絶対に勝つ。そう腹を決めた人間同士が団結すれば、限界をも超える最高の力を出せるということだろう▼強風、極寒、低酸素……。山登りは頂に向かって進むほど、状況は過酷さを増す。人生のさまざまな挑戦もまた、到達点に近づいた時こそ、最大の勢いと執念が求められる正念場だ▼“必ず勝つ! 最後は勝つ!”と負けじ魂をいや増し燃え上がらせ、鉄桶の団結で「広布の峰」を登攀しよう。(誠)