名字の言ブログ

聖教新聞の名字の言を毎日載せていきます。

名字の言 わずかなしぐさに思いを馳せる

2022年7月12日
 
 近代看護の母・ナイチンゲールの言葉に、良い看護師は「患者に向かって、どう感じているか、どうして欲しいか、といった質問などめったにしない」と。ゆえに「患者の顔に現われるあらゆる変化、態度のあらゆる変化、声の変化のすべてについて、その意味を理解《すべき》なのである」と訴えた(『ナイチンゲール言葉集』現代社)▼これは看護の世界に限らないだろう。胸の内を言葉にするのが苦手な人のわずかなしぐさを見逃さず、心に寄り添うことは大きな励ましになる▼病で足の不自由な女性部員。周囲の心ない態度に傷ついたことも。それでも青年時代、何度も弘教に挑戦した。しかし、対話は実らず、“私なんか……”と落胆した▼そんな中、女子部合唱団の一員として参加した集いで池田先生との出会いがあった。彼女は気後れし、団員の後方に下がってしまった。その行動を先生は見逃さなかった。すぐに彼女のそばへ歩み寄ると、包み込むように励ましを。彼女は“私らしく広布に生き抜く”と誓った▼彼女は今、1人暮らしの高齢者や、多忙で会合に参加できない友の激励に歩く日々。相手がふと見せる表情やしぐさにも心を配り、“何としても幸せになってほしい”と慈愛を届けている。(白)